9路道場仮設掲示板♪
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[106] ミニ小説(4) 投稿者:びっぐにゃん 投稿日:2012/04/27(Fri) 22:20  

スーデ・ソウの杖(4)

「まぁ、知らなくても別にいいかな。そのカシナートの剣と並び称されるのが、このスーデ・ソウの杖。杖作りの名人スーデ・ソウの名を受け継いだ、魔法使いなら誰もがあこがれる、名剣…じゃなくて…え〜っと、杖だから名杖(めいじょう)って言うのかな? 心正しき者が使えば、巨竜をも一撃で葬り去るって言われてる、有名すぎるくらい有名な杖なんだけど…キャットちゃん、まさか、これも知らないとか?」
 はて…騎士の私には、魔法使いの杖のことは全くの専門外だが…仮にも殿堂入り冒険者の私が、そんな有名な杖の話を今ここで初めて耳にしたというのは、一体どういうことなんだろう?
「知らにゃくてもいいですにゃ。使った者勝ちですにゃ。ウリボーさん、それ1本くださいにゃ。お金はゴビリンさんのツケですにゃ。」
「こらこら、勝手に私のツケにするな。ウリボーさん、それ、いくらするんだ? 後でちゃんと、キャットに払わせるから。」
 私にとっては初めて見る杖、まず心配なのは、杖としての効果よりも値段なのだが。そんな私の思いを知ってか知らずか、ウリボーさんは、にっこりほほえんでこう言った。
「キャットちゃん、欲しいなら、ただであげるよ。」
 キャットの表情が、ぱっと輝く。
「やったにゃ♪ ウリボーさん、ありがとうにゃ♪ にゃらら〜♪」
 ウリボーさんの手から杖をひったくるように受け取って、そのまま走り去ろうとするキャット。その腕をぎゅっとつかんで引き留めて、そしてキャットの正面に立って、キャットの肩に両手を置きながら、ウリボーさんは諭すように、ゆっくりと話し始めた。
「キャットちゃん、もう1回だけ言うよ。試験は、他の誰でもない、キャットちゃん自身のために受けるものだよ。その杖を使えば、試験に合格できるかもしれない。でも、それは本当に、キャットちゃんのためになるのかな? よ〜く考えてごらん? そして、使っても使わなくても、試験が終わったら、その杖を持ってもう1回ここへ来てくれるかな?」
「はいにゃ。わかりましたにゃ。じゃ、行きますにゃ、ありがとにゃ〜♪」
 本当にわかったのかどうか…杖を手に、喜んで走り出すキャット。
「さて、私は、念のため、事の次第を冒グルに報告しておくかな…私も騎士の端くれ、仮にもこうして不正がおこなわれる可能性を知ってしまった以上、当然の義務として関係者に報告を…」
「あ〜、ゴビリンさん、大丈夫だから。試験が終わるまで、コーヒーでも飲みながら、ここでおいらと一緒に待ってあげてくれないかな?」
 ウリボーさんにそう言われると、まぁ、それも悪くないような気がするが…


[105] ミニ小説(5) 投稿者:びっぐにゃん 投稿日:2012/04/27(Fri) 22:19  

スーデ・ソウの杖(5)

「…ただいにゃ…はぁぁ…」
 コーヒーカップを片手にウリボーさんと懐かしい話をしながら、待つこと30分か40分…待つって言うほどの時間は経っていないが。頭の上に黒い雲でも浮かんでいそうな表情で、キャットは帰って来た。試験の結果は…聞くまでもないか。
「おかえり、キャットちゃん。試験は…今回はだめだったのかな?」
「はいにゃ…これ、お返ししますにゃ。」
 そう言いながらキャットが差し出したのは、言わずと知れたスーデ・ソウの杖。
「別に返してくれなくてもいいんだけど…これ、試験で使ったのかな?」
「使わなかったんですにゃ…ウリボーさんに言われて…やっぱり試験は自分の力で受けなきゃいけにゃいって思って…それで、いつもの杖で試験を受けたんですけど…やっぱり全然だめでしたにゃ…ぐすっ…」
 その話は私もしたのだが、キャットの頭にはウリボーさんの話だけが記憶としてインプットされたのか…
「あ〜、泣かない、泣かない。結果は残念だったけど、キャットちゃんは正しい判断をしたんだよ。だから、次がんばれば、それでいいんだよ。」
 杖の力に頼らず、自分の力で試験にのぞんだ、そのキャットの心意気は褒めておこう。しかし、練習を全くしていない、放送で呼ばれるまで試験があることすら忘れていた、そんな状態で試験を受けて、合格する可能性が1%でもあると思ったのか?
「はいにゃ…次はがんばりますにゃ…それで、これ、やっぱりお返ししますにゃ。次の試験までに、ちゃんと練習して、いつもの杖で合格できるように…無理かもしれにゃいんですけど、わたしなりにがんばりますにゃ…」
「そうか、うん、よくそれに気付いたね。試験の結果は残念だったかもしれないけど、今日1日で、キャットちゃんは魔法使いとして立派に成長したと思うよ。じゃ、これはおいらが預かっておくから。また使いたくなったら、いつでも言ってね。」
 そう言いながら、キャットから受け取った杖を、店の奥へ片付けに行こうとして…くるっと振り返ったウリボーさんは、にっこりほほえみながら、こんなことを言った。
「あ〜、そうそう、キャットちゃん。言い忘れてたんだけど…この杖は、逆さまに持った時に、本当の力を発揮するって言われてるんだよ…」
「にゃ? 逆さまに持つんですかにゃ…その星の飾りの方を下にして持つんですかにゃ…」
 それじゃ杖として使いにくいと思うんだが…逆さまって…あ〜っ!
「わははは…そういうことかっ! ウリボーさん、やっぱりただ者じゃないな? さて、キャット、そろそろ帰るぞ。ウリボーさん、ありがとうな。」
「はいにゃ。ありがとうございましたにゃ。」
「いえいえ、じゃ、キャットちゃん、また来てね。」
 ウリボーさんに見送られながら、うり屋の前の小道を歩く我々2人。すっかり傾いた陽が、我々の足下に長い影を描いている。
「ゴビリンさん、ただ者じゃにゃいって、どういうことですかにゃ?」
「あ〜、いいよ、キャットはわからなくても。それより、帰ったら早速、魔法の練習始めるぞ。私も付き合ってやるから。」
「はいにゃ。」
 小道を進んだ先の十字路。そこを右に曲がれば、間もなく我々が拠点にしている冒グルに到着する…

−終わり−

 この話は、別の設定で考えていた案にゃんですけど、いい機会だからこっちの世界でも使わせていただくことにしましたにゃ。気が向いたら、感想など書いていただけると嬉しいですにゃ♪


[104] ミニ小説(1) 投稿者:びっぐにゃん 投稿日:2012/03/10(Sat) 11:17  

 久しぶりのミニ小説ですにゃ。今回は短編ですにゃ。

調子に乗った猫(1) 作:にゃん

「これで終わりですにゃ?」
「チュウ…」
「え〜と…10…20…30…大差でいいですにゃ?」
「チュウ…」
「じゃ、ありがとうございましたにゃ。」
「はぁぁ…ありがとうございましたチュウ…」
「おっ、にゃん、勝ったのか? 今日は調子いいのか?」
「全然ですにゃ。今、ねず太郎に勝って、やっと1勝ですにゃ。」
「そうか。にゃん、ねず太郎とは相性いいからな。」
「そうですにゃ。いつも勝たせてもらってますにゃ。」
「そうか。その調子でがんばれよ。」
「はいにゃ♪」
「チュゥ…」

 パチッ… パチッ…
「う〜ん…まづいにゃ…」
「今日は調子がいいチュウ…初めてにゃんに勝てるかもしれないチュウ…」
 パチッ… パチッ…
「う〜ん…どんどん悪くなっていくにゃ…」
「よしっ、このままいけば、にゃんに勝てるチュウ…」
 パチッ… パチッ…
「にゃ? これは…ここに打ったらどうにゃ?」
 パチッ!
「あっ! そんな手がっ…」
「やったにゃ。これで、ここの石は全滅にゃ♪」
「チュゥ…ボクの負けだチュウ…」
「ありがとうございましたにゃ。」
「はぁぁ…ありがとうございましたチュウ…」
「おっ、にゃん、また勝ったのか?」
「はいにゃ。危ないところを、ねず太郎のミスに助けられましたにゃ。」
「そうか、運も実力のうちだからな。その調子でがんばれよ。」
「はいにゃ♪」
「チュウ…ボクはもうだめだチュウ…ボクには才能がないんだチュウ…」

「にゃらら〜♪ 今日もねず太郎相手に、勝ち星を稼ぐにゃ〜♪」
「おっ、にゃん、今日も早いな。早速打つか?」
「はいにゃ…あれ、ねず太郎は…?」
「今日はまだ来てないぞ。」
「そうにゃんですか。じゃ、来るまで待ちますにゃ。」
「う〜ん、来るかなぁ? ここ何日か、見てないからなぁ。」
「えっ、そうにゃんですかにゃ?」
「じゃ、待ってる間、暇だから、ラジオでもつけるか。」
 ぷちんっ♪
「え〜、次のニュースです。今日未明、××県の山中で、行方不明だったねず太郎さんが、遺体で発見されました…」
「にゃっ!」
「現場に残されていたメモには、『にゃんに負けてばかりで囲碁が嫌になった、生きる希望もなくなった』と書かれていて、××県警は、ねず太郎さんが囲碁で勝てないことを苦に自殺を図ったものとして、捜査を続けています…」
「ぎにゃぁ!」

「にゃん、大変なことをしてしまったな…」
「にゃぁ…」
「お前、最近、調子に乗って、ねず太郎に勝ちすぎたよな?」
「にゃぁ…どうするにゃ…」
「どうするも何も、今さらどうしようも…」
 ピンポ〜ン♪
「にゃんさんですね? ××県警の者です。ねず太郎さんの件でちょっとお話を伺いたいのですが、署までご同行願えますか?」
「ほらっ、さっさと来いっ! 逮捕だっ! 連行だっ!」
「まぁまぁ、課長、今はまだ任意同行の段階ですから…では、にゃんさん、こちらへ…」
「にゃぁ…」
「にゃん…帰って来るかなぁ…」


[103] ミニ小説(2) 投稿者:びっぐにゃん 投稿日:2012/03/10(Sat) 11:16  

調子に乗った猫(2)

 バンッ!
「お前がやったんだろぉぉっ!」
 ピカッ!
「ネタはあがってるんだっ! ほらっ、さっさと吐けっ!」
「にゃぁ…」
「まぁまぁ、課長、ここは穏便に…ほら、にゃん、鮭丼食うか?」
「にゃぁ…いただきますにゃ…」
「うまいか?」
「にゃぁ…」
「じゃ、そろそろ正直に話そうか? なっ?」
「にゃぁ…刑事さん…わたしがやりましたにゃ…」
「そうか。じゃ、にゃん。初心者保護法違反ならびに何だかんだで、午後××時××分、逮捕っ。」
 ガチャッ!
「びにゃぁぁ…」

「それでは、これより、ねず太郎殺害の件について、吟味いたす。一同の者、面をあげいっ!」
「お奉行様、この件は、殺害ではなく、ねず太郎の自害で…」
「やかましぃっ! その方は黙っておれっ!」
「ははぁぁっ!」
「さて、囲碁師範碁美の弟子、おにゃん。」
「おにゃん!?」
「その方、ねず太郎に囲碁で勝ちすぎて、ねず太郎を死に追いやったとあるが、これに相違ないな?」
「はいにゃ…わたしがやりましたにゃ…」
「えぇいっ、黙れ黙れっ! その方、この期に及んで、まだシラを切るとは、不届き千万っ!」
「お奉行様、おにゃんは、それに相違ないと申しておりますが…」
「やかましぃっ! その方は黙っておれっ!」
「ははぁぁっ!」
「それがしの腕の、この桜吹雪…」
 だんっ! ばっ!
「見忘れたとは、言わせねぇぞっ!」
「お奉行様…わたし、それを拝見するのは初めてですにゃ…」

「はぁぁ…うちのお奉行様は、毎度毎度このように派手な芝居を…困ったものだ…」
「その方っ! 何をひそひそ申しておるっ! 黙っておれっ!」
「ははぁぁっ!」
「えぇぃっ、面白くないっ! おにゃん! ならびに、囲碁師範碁美っ!」
「はいにゃっ!」
「はっ!」
「両名の者、ねず太郎殺害ならびに何だかんだの罪により、島流しといたすっ! 引っ立てぇいっ!」
「にゃぁ…」
「おっ、お奉行様っ! 私は、この件は何の関わりもございませんっ!」
「やかましぃっ! 弟子の不始末は、これすなわち師匠の不始末っ! 師匠も同罪といたすっ! 引っ立てぇいっ!」
 がしっ! ずるずる…
「びにゃぁぁ…」
「なっ、何故、私まで…」

「……こんなことに、なるにゃ。」
「ならないならない。」
「何だよ、初心者保護法って…囲碁で勝つと、警察にしょっぴかれるのか?」
「それに、いつの間にか、時代劇になってるじゃないか。」
「だいたい、ねず太郎って誰だよ?」
「それは…別に…特定のモデルがいるわけじゃにゃくて…」
「くだらないこと考えてないで、もっと勝てるようにがんばれよっ!」
「にゃぁ…」

−終わり−

 こんな話ですにゃ。気が向いたら、感想など書いていただけると嬉しいですにゃ♪



[102] わたしが9路道場に戻らにゃい理由 投稿者:びっくにゃん 投稿日:2011/12/12(Mon) 00:20  

 ふと気が付くと、ここの最終投稿日は8月…3ヶ月以上放置状態だったんですにゃぁ。わたし自身、9路道場をやめて久しいのに、掲示板のタイトルも直してにゃいし。そんなわけで、いい機会ですから、わたしが9路道場に戻らにゃい理由について、お話させていただきますにゃ。
 わたしが9路道場をやめることになった直接の理由は、K氏から直接、要するにわたしが来ると迷惑だから来ないで欲しいっていうようなことを言われたからですにゃ。ただ、これはあくまでわたしの見解っていうか、もしかしたらわたしが勝手にそう思ってるだけにゃのかもしれませんけど、そこに至る要因のひとつに、Z氏の存在があったと思うんですにゃ。Z氏は、いろんな意味で自己主張の強い人で、それがいい方向に働く時もあれば、そうでにゃい時もある、そんな状態が旧YAHOO時代から続いていたんですけどにゃ。わたしが9路道場をやめることになる1ヶ月くらい前からだったと思うんですけど、そんなZ氏の言動に、K氏が過敏な反応を見せるようになりましてにゃ。わたしの目から見れば、Z氏の言動がやや目に余るっていうところもあったんですけど、そういうことも含めて囲碁仲間っていうかにゃんていうか…わたしはZ氏をかばう立場をとったんですにゃ。そんなわたしの態度が、一部の上級者の皆様のお気に召さにゃかったみたいで、チャットでいろいろ言われて、今だから正直に言いますと、パソコンの電源を切った後、ひとり枕を抱えて涙することもありましたにゃ…まぁ、そんなことは、どうでもいいんですけどにゃ。そんなZ氏が、ある日突然、態度を改めるって言っちゃうと語弊があるんですけど、まぁ要するに、これからは皆さんに迷惑かけにゃいようにがんばります、みたいなことを言って、K氏と和解して、わたしはそんなZ氏を応援するために「これからなるべく練習対局に付き合いますにゃ」って言ったんですにゃ。その後、わたしの記憶では1日か2日、わたしが9路部屋に行かにゃい日があって、次に行った時に、K氏からいきなり例の宣告を受けて、わたしにしてみれば青天の霹靂…にゃんですけど、話の流れからほぼ間違いにゃく、またZ氏がにゃにか問題を起こして、わたしとZ氏の2人がセットで9路道場から追放された、わたしはそう受け取りましたにゃ。その数日前に、わたしは13路親睦囲碁クラブに新規参加してたんで、最初はそれに対する報復みたいな意味合いが含まれてるのかって思ったんですけど、それはK氏がはっきり否定しましたにゃ。そんなことがあった翌日か翌々日、13路部屋で対局待ちだったわたしに、Z氏が個人メッセージを送ってきて、練習対局はどうなったのかとか、そんなようなことを言いましたにゃ。わたしはその時、わたしが9路道場を追われたのは半ばZ氏のせいだと思っていましたし、対局待ちのわたしの立場をまるで考えていにゃいような態度もどうかと思ったんで、ちょっとそっけにゃい返事をしてしまったんですよ。そうしたら、信じた自分が馬鹿だったとか見損なったとかお前は裏切り者とか、罵詈雑言のオンパレード。しょうがにゃいから、誤解をとくために別室でゆっくり話しましょうって提案したんですけど、お前と話すことはないの一点張り。その時、恥ずかしにゃがら、わたしはちょっとだけ「最初からこの人を見捨てれば、わたしだけでも9路道場に残れたんじゃ…」って思っちゃいましたにゃ。そんなことがあって、わたしが9路道場を追われて数週間。もしわたしが逆の立場だったら、突然来なくなった仲間に、にゃにか声を掛けるのににゃぁ、少なくとも、掲示板その他の会話のための場所がちゃんとあるのに、傍観するような真似はしにゃいのににゃぁって思ってた時、ふと気付いちゃったんですよ。何のことはにゃい、わたしがZ氏との件で、囲碁仲間として、さらに言うなら人としてできにゃかった「立場の悪くなった仲間を見捨てて自分が生き残る」という判断、みんなはそれができたから、立場の悪くなったわたしを切り捨ててK氏にへつらうという、賢い大人の選択ができたから、わたしのいなくなった9路道場で今も楽しくやってるんだにゃって、気付いちゃったんですよ。でも、わたしは、自分自身の躊躇…というよりそれはある意味ひとつの決断でもあったんですけど、それに対して後悔はしていませんにゃ。わたしは、賢い大人になるよりも、馬鹿な正直者であることを選んだ、彼らとは違うという選択をしたんですにゃ。辛くても、自分で選んだ道ですからにゃ。これが、わたしが9路道場に戻らにゃい理由ですにゃ。
 ま、そんなわけで、次はひさしぶりにミニ小説でも書いてみようかにゃって思ってますにゃ。あんまり期待しにゃいで待っててくださいにゃ〜♪


[101] いらっしぃませ 投稿者:びっくにゃん 投稿日:2011/08/28(Sun) 05:49  

 屋島屋さんいらっしぃませ。こんな過疎地に来てくださってありがとうにゃ♪今回の作品は、旧9路道場で一緒だった皆さんに「こういうの書きますにゃ」っていう話をしてましたから、まぁ約束にゃんて大袈裟なものじゃにゃいんですけど、いちおうこういう形で完成させましたにゃ。次回作はどうしますかにゃぁ…旧9路道場の皆さんで、今は付き合いがなくなっちゃった人たちを、勝手に出していいのかどうか…新13路親睦クラブの皆さんに出ていただいてもいいんですけどにゃ♪それを言ったら、この仮設掲示板のタイトルもそのうち直さにゃいといけませんにゃ。ま、そのうちゆっくり考えますにゃ♪
 じゃ、皆さん、また来てくださいにゃ〜♪


[100] 無題 投稿者:屋島屋 投稿日:2011/08/28(Sun) 01:59  

オヨヨ〜、新刊が出てたんですねぃ。
でばがめ神父が、味付け役ですねぃ。
ワンダフル、手をふる、腰もふる!
スケベ! ・・・ では、またにゃぁ〜♪


[99] ミニ小説(1) 投稿者:びっくにゃん 投稿日:2011/07/28(Thu) 23:29  

 ミニ小説…のつもりで書いたんですけど、中編になっちゃいましたにゃ。今回はファンタジーもので、わかる人にはわかるパロディ満載、元ネタがわかんにゃくても普通に笑えるかもしれにゃいドタバタギャグ系の話になってますにゃ。お暇なら、読んでやってくださいにゃ♪

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お気楽な冒険者達(1) 作:にゃん

 ポ〜ン てんっ ころころ…
「にゃっ♪」
 だだだだ… さっ だだだだ…
「はいにゃ♪」
「よし、もう1回いくぞ、それっ!」
 ポ〜ン てんっ ころころ…
「にゃっ♪」
 窓の外に広がる青空、時計は午前10時55分を指している、いつも通りの暇なひととき。全て世は事もなし。私は車椅子に座ったまま、壁に向かってボールを放り投げ、それをキャットが拾って持ってくる。そんなことをもう何十回繰り返したのだろう…
「お〜い、ゴビリンさん、そろそろ時間だねぃ。」
 ドアの外からシモンの声が聞こえる。
「よし、キャット、そろそろ行こうか。」
「はいにゃ♪」
 私とキャット、それにシモンも加わって、3人で廊下を歩く。
「早く行かないと、いい席なくなっちゃうねぃ。」
「営業開始と同時に食堂に駆け込むなんて、我々以外、いないと思うが。」
「それは、そうかもしれないねぃ。」
「ところで、神父さんは、どうしたんですかにゃ?」
「さぁ…朝メシの後、見てないねぃ。」
「またそのへんで、女の子に声掛けてるんだろ。先に行こうか。」
「はいにゃ…あっ、あれ、神父さんじゃにゃいですかにゃ?」
「ヘイ、そこの彼女、真っ白のマントが似合ってるね。じゃぁ次は俺が君の体を包んで…いてぇっ!」
 ぎゅっ!
「はいはい、神父さん、そんなことより昼メシの時間だねぃ。」
 シモンに耳をつかまれて、そのまま引きずられていく神父…まぁ毎度のことだが。さて、このあたりで、今の状況の大雑把な説明と、我々パーティのメンバー紹介をすることにしよう。ここは、キッズの町のほぼ中心にある、冒険者支援グループ、略して冒グルの建物の中、仮眠室から食堂へ続く廊下の、だいたい真ん中あたり。冒グルっていうのは、その名の通り、我々冒険者達を温かく支援してくださるありがたい組織だ。我々は、ちょっと事情があって、ここ最近…いや随分前からここに滞在している。まず、先頭を歩いているのが、カー・シモン。白地にでっかいパイナップルを擬人化した絵の付いたシャツに、素材は何だか知らないがやたら動きやすそうな緑の長ズボン、足には黒のスニーカー。ぱっと見た限りでは、とても冒険者には見えない、どこにでもいる普通の兄ちゃんという感じだが、職業は盗賊で、これでもナイフを持たせたらちょっとしたものだったりする。パーティではツッコミ担当といったところか。そのシモンに耳を引っ張られてるのが、神父。本名は知らない。本人が話そうとしないし、みんな「神父」って呼んでるから、便宜上そういう名前になっている。茶色のサングラス、銀のトゲトゲがたくさん付いた茶色の革ジャンパー、薄茶色の短パンにこげ茶のスニーカー。茶色が好きだということはわかるが、この格好を見て聖職者だと思う人はいないだろう。事情を知らなければ、どう見ても町のチンピラその1、冒険物語で最初にやられる敵キャラにしか見えないだろう。戦闘時以外でも、手にはメイス…棒の先にトゲトゲ付きの鉄球が付いている、そのへんの武器屋で20ゴールドくらいで買える武器を持っていたりする。それでいて、ちょっと目を離すと知らない女性に声を掛けまくってる、困った奴だ。ひょっとして、怪しげな宗教の聖職者ならぬ性職者なんじゃないかと思ったりもするが、恐ろしくて真実を聞き出せない弱気な私がいる。そんな私の前を歩いているのが、キャット。獣人…と言うと何となくファンタジーっぽいが、実際のところはただの猫娘だと思う。職業は…本人は魔法使いだと言っているが、詳しいことは何も知らない。いつも紺色のセーラー服を着ていて、女子高生というよりは中学生くらいに見えるんだが、時々妙に古い話をすることがあるから、本当は何歳なのかよくわからない。そして、最後尾を車椅子で進むのが私、ゴビリン。車輪の外側に付いている輪のような部品を手で回して進む、この移動方法にもすっかり慣れた…誰か押してくれても良さそうなものだが。このパーティのリーダーで、職業は誇り高き騎士。その証拠に、戦闘時でもないのに全身鎧に身を包んでいる。さすがに剣と盾は仮眠室に置いて来たが。兜はフルフェイス型ではなく、普通の鉄兜…に見える軽合金の兜。まぁ、それを言ったらこの全身鎧も軽合金だが。名誉の負傷で、今はこうして車椅子で移動している。う〜ん、こうしてあらためて考えると、うちのパーティって素性のよくわからない奴ばっかりだな…


[98] ミニ小説(2) 投稿者:びっくにゃん 投稿日:2011/07/28(Thu) 23:28  

お気楽な冒険者達(2)

 ♪ピンポンパンポ〜ン
「午前11時になりました。只今より、食堂のお昼の営業を開始いたします。」
 だだだだ…
 スピーカーから流れるアナウンスと同時に、食堂に駆け込む3人。そんなに急がなくても、どうせ我々が一番乗りなんだから…と思いながらも、車椅子を転がして追いかける私。いつも通り、窓側の角のテーブルを占拠することに成功した。さて、今日の日替わりランチは何かな…
「はいはい、いらっしゃいませ。ゴビリンさんたち、今日もお早いですね。」
 食堂の店主兼コックのウリボーさんが、いつもと変わらない愛想笑いで迎えてくれる。この人も獣人で、人間とイノシシのハーフらしいが、コスプレ娘っぽいキャットとは違って、見た目はどちらかと言うと二足歩行のイノシシに近い。ボロい革服でも着て、槍なんか持って森の小道にでも立っていたら、通りすがりの戦士に斬り掛かられても不思議はないだろう。そんな見た目とは裏腹に、コックとしての腕は超一流だったりするのだが。
「今日の日替わりランチは何かな?」
「今日はミケドリアの香草焼きですよ。」
 私が聞こうとしたことを、一足先に聞くシモンに、やっぱり愛想笑いで答えるウリボーさん。
「じゃ、オレはそれで。」
「私もそれを。」
「ミケドリアの柔らかい肉もいいけど、俺は…ヘイ、そこの彼女、俺は君のや〜らかいお肉を…いてぇっ!」
 ぎゅっ!
「はいはい、ウリボーさん、このエロ神父も日替わりでいいって言ってるねぃ。」
「そうですか、じゃ、日替わり3つと…キャットちゃんは、今日もサーモンフライでいいのかな?」
「はいにゃ♪」
「じゃ、サーモンフライの単品っと…じゃ、これ持って、鳴ったら取りに来てくださいね。」
 白いプラスチックの小箱…真ん中にでっかく数字の1が書かれている小型受信器を渡される。注文したメニューができあがって、ウリボーさんが厨房にある発信器のボタンを押すと、これが鳴るから、トレイを持ってカウンターまで取りに行く。食べ終わったら返却棚にトレイごと食器を返す。いわゆるセルフサービスの食堂だ。
「そういえば、ゴビリンさん、事務局長が呼んでましたよ。」
「え、何の用だろう…」
「それは知りませんけど、何だか機嫌悪そうでしたよ。食べ終わったら、早めに行ったほうがいいんじゃないですか?」
 事務局長からの呼び出し…しかし、我々には心当たりが全くない。キャットはここ最近、1日3回サーモンフライを食べて、あとは遊んでるだけだし、神父は暇さえあれば女の子に声を掛けまくってるし、シモンは盗賊の修行のひとつだとか言って、時々冒グルの備品、他のパーティの小銭、誰のものかわからないアイテム…そういうものを勝手に持ってくるだけだし、私は名誉の負傷でずっと車椅子生活で、冒険者らしいことは何ひとつしていないし…う〜ん、やっぱり心当たりがあるかもしれない。そんなことを考えながら、昼食を食べ終わった我々は、フリードリンクのグラスを片手に2時間ほど無駄話をしながら暇をつぶした。


[97] ミニ小説(3) 投稿者:びっくにゃん 投稿日:2011/07/28(Thu) 23:28  

お気楽な冒険者達(3)

「ゴビリンさん、困りますねぇ…」
「え、何がですか?」
 午後1時30分、面倒くさいとは思ったが、いちおう事務局に顔を出した我々に、ここの冒グルの事務局副局長代理補佐代行次席…肩書きが長いから、みんな「事務局長」と呼んでいるが…その事務局長のモヨヨン氏は、開口一番こんなことを言った。
「何がですか、じゃないでしょう。他の冒険者達から、苦情が殺到してるんですよ。」
「だから、何のことですか?」
 とぼけているつもりは全くないが、向こうはそう受け取ってくれるかどうか…
「それじゃ、はっきり言わせてもらいましょう。あなた方、冒険者らしいことを、何ひとつしていないじゃないですか。」
「そんなこと言われても…うちのパーティは、まだ結成したばかりで、メンバーも経験不足な奴ばっかりで…」
「そういうことを言ってるんじゃないんですよ。」
 う〜ん、じゃぁ、どういうことなんだろう。
「簡単なクエストをこなすとか、本格的な冒険に備えて研究室やトレーニングルームに通うとか、冒険者としていろいろやることはあるでしょう?」
「はぁ…まぁ、そうなんですが、今はそういうことも含めていろいろと準備を…」
「そう言いながら、もう何日そうしてると思ってるんですか?」
「う〜ん、ちょっと記憶に…」
「いいですか、あなた方がこの冒険者支援グループに『短期滞在』ということで住み着いて、もう40日になるんですよ?」
 えっ、もうそんなになるのか…
「この40日間、あなた方は、冒険者らしいことを何ひとつしないで、毎日毎日、食う寝る遊ぶのぐうたら三昧…」
「そんな言い方をしなくても…それに、無料で宿と食事を提供してもらうのは、我々冒険者に等しく与えられた権利であって…」
「それは、ちゃんと冒険者らしいことをやってる人の場合であって、あなた方のような、冒険者なんだか遊び人なんだかはっきりしない人たちに、その恩恵にあずかる権利があるとは思えませんね。」
 うわっ、この人、ずいぶんなことを言ってくれるなぁ…
「でも、仮にそうだとしても、そのことで我々がいつ、他の冒険者の皆様にご迷惑をお掛けしましたか?」
「ふぅ…まったく、どの口が言うんだか…まぁいろいろありますが、まずは、あなた方が住み着いてる部屋ですね。苦情が一番多いのは、そこですよ。」
「だから、無料で宿を提供してもらうのは、冒険者の…」
「あの部屋は、宿じゃなくて、仮眠室なんですよ。それも、この冒険者支援グループに6室しかない…そのうちの4室を、あなた方が40日間も占拠してるんですよ。他の冒険者から苦情が出るのは当たり前じゃないですか。」
 そうだったのか…私はてっきり、無料で提供される宿に当然の権利として宿泊しているものだと…
「とにかく、この状況を今すぐどうにかしてください。それができないんだったら、冒険者カードを置いて、出て行ってもらいますよ。」
 うっ、それは困る。ここを追い出されるだけならまだ何とかなるかもしれないが、冒険者カードを取り上げられたら、他の町の冒グルに転がり込んで甘い汁を…もとい、旅先の冒グルで我々の窮状を説明して短期滞在させてもらうこともできなくなる。
「そんなこと、急に言われても、我々はどうしたらいいのか…なぁ、お前たち、どうする?」
「オレは別に、どうでもいいねぃ。」
「俺も、かわいい女の子がいれば、別にどうでもいいかな。」
「わたしは、毎日サーモンフライが食べられれば、満足ですにゃ。」
 あ〜、こいつらに聞いた私がバカだったよ。
「あの、ほら、ご存じの通り、私は足を痛めているわけで、その、公傷扱いというわけには…」
「酔っぱらってバルコニーから落ちて足を折ったんでしょう? そんなものが公傷と認められるわけないでしょう。」
「あれは、落ちたんじゃにゃくて、飛び降りたんですにゃ。」
「あ〜、そうそう、そうだったねぃ。」
 実を言うと、私はどういう経緯でこのケガをしたのか、まったく覚えていないのだが。こいつらの話によると、どうもこういうことらしい…


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